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ある日、アレルギーを持つご家族が当店をおとづれました。お目当ては、お酒のつまみの豆菓子だったようです。無添加ピーナッツペーストの名前を見て、奥様がピーナッツペーストだけですか。と尋ねられました。話を伺うとお子様はアレルギーを持っていて「うちの子供卵アレルギーで、米粉のパンは作ったのですがつけるものが無くて・・・出来ることなら他の子どもと同じように甘いものもも食べさせたいのです。」とお話くださいました。

ご家族と調和をテーマに材料を探し、落花生は根になります。幹をメープルシロップに例え、実や葉っぱをココナッツにみたてて作らせていただきました。完成後、そのご家族に連絡をしました「奥様が作られたパンに合うピーナッツバター出来ました。」奥様は「あ!おぼえててくださんったんですね。今度伺います」という返事でした。来店され話をしていると、奥様は照れくさそうに「すいません、アレルギー治ったみたいです・・・と」

再度、来店されたときにお子さんは「おじちゃん美味しかったよ」と教えてくれました。

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2017年10月のことです。

近所の90歳を目前にしたおばあちゃんから一本の電話があり配達をしてほしいとのことでした。

さっそく届けにいきました。

おばあちゃんは「最近が歯が悪くなってね・・・」

「少しの注文でごめんね。とご注文いただいたにも関わらずお詫びをされました。」

祖父の代から公私に渡りお付き合いのある大切なおばあちゃんです。祖父母を重ねて見ることもあり、何とも言えない気持ちになりました。豆菓子を舐められるようにすれば歯が悪くても喜んでもらえるのではないだろうかと考え塩のミネラルとオリーブに含まれるポリフェノール類などの微量成分、オレイン酸で健康に配慮し日々を元気に楽しく過ごしてもらえたらとい願いを込めて作らせていただきました。

仕上がったものをさっそく、おばあちゃんの元に届けた時に、味をみてくださり

「これならピーナッツ食べたくなったらねぶればよかね」と目頭を熱くして喜んでくださいました。

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当店では、ピーナッツの自然な甘さを追求していました。数十年前、先代が甘くなる方法を発見したものの、それでは歯ごたえが無いという結論に至り商品化されないままお蔵入りになっていた研究があります。

当代に代わり、ピーナッツのおいしさを追求していく中で役に立ったのがその当時の資料です。甘さを十分に引き出した後で、ペースト状にします。

先代、先々代とピーナッツの美味しいとは…。

ということを生涯かけて追い求めてきました。時間を超えて誕生したのが当店のピーナッツペーストです。ですから、ピーナッツを焼いた後、7日から10日間は壺の中にいれ、温度管理された蔵の中に貯蔵します。その後作られるのがピーナッツペーストです。

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